お取り寄せスイーツの中でも、ヘルシーで美しいと近年ますます和菓子が人気です。
今回は和菓子の長い歴史の中で日本全国で作られてきた、100以上あるとも言われるお菓子の種類や分類をみていきます。
和菓子の種類は100以上?
和菓子の種類は大変豊富で、100以上あるとも言われ、四季折々の季節に応じたお菓子や、各地で違う製法で作られた銘菓などもたくさんあります。
日本の長い歴史の中で、変化を繰り返し、爆発的に種類が増えたのは江戸時代です。
砂糖の普及で庶民の口に入るようになり、甘い餡を使ったおまんじゅうなども作られるようになりました。
江戸時代に日本各地で作られるようになったお菓子は、各地の大名が参勤交代によって自分の領地から江戸に移動する際に、大名や家臣団だけでなく、その家族や使用人も同行させ、優れた菓子職人も移動することになります。
このため、その土地ならではの地方の和菓子や土産物が、各地へ広まるきっかけとなりました。
今食べている和菓子は、この時代に広がったものが多いんだね。
和菓子の3分類
一般的に和菓子を大きく分類分けすると、水分量の違いで分けた場合、生菓子、半生菓子、干菓子の3つに分かれます。
食品は水分量が多いほど痛みやすく少ないほど日持ちしますが、生菓子は長くて2〜3日中、干菓子は1ヶ月くらいとされているのが特徴です。
生菓子や半生菓子にはどんなものがあるのかな?
らくがんやあられやかりんとうは干菓子なんだね!
名称できっちりと分類されているわけではないので、製法や水分量が変わる場合、生菓子になるか、半生菓子になるか?などの分類も変わってきます。
例えば
水分量の多い求肥 : 生菓子の練り物
水分量が少ない求肥:半生菓子の練り物
というように、分け方が変わってくるのですね。
水分が30%以上
季節や祝い事を表現する、技巧的にも優れたもの
練り切りや羊羹など
【干菓子】
水分量10%以下
落雁やかりんとうなど
【半生菓子】
水分が10~30%
最中(もなか)、すはま、鹿の子など
ふだん何気なく食べているお菓子も、水分量の違いや製法によって分類されているんですね。
生菓子の種類は? 団子や桜餅など
何日くらい日持ちするのかは同じお菓子でも、作り方や水分量によって違うこともあります。
生菓子もまた、製法によって細かく分類が分けられています。
【餅物】
おはぎ・草餅・柏餅
【蒸し物】
蒸し饅頭・蒸し羊羹・蒸しカステラ・ういろう
【焼き物】
どら焼き・桜餅・きんつば・栗饅頭・桃山・カステラ
【流し物】
錦玉羹・羊羹・水羊羹
【練り物】
練り切り・こなし・求肥
【揚げ物】
あんドーナツ・月餅
「朝生菓子」 団子や桜餅など
生菓子には「朝生菓子」と呼ばれるものと「上生菓子」と呼ばれるものに分けられます。
「朝生菓子」は「並生菓子」とも呼ばれ、朝作ったらその日のうちに食べるお菓子のことです。
朝に作って、その日のうちに食べる
お団子や桜餅、草餅や大福など
【上生菓子】
季節や祝い事を表現する、見た目にも美しい
茶席などに使われるお菓子
お団子や桜餅は朝生菓子になるんだね。
桜餅、柏餅、おはぎ、団子や草餅、大福などの餅菓子は朝作っておいておくとデンプンの性質上だんだんと固くなってしまうので、作ったらすぐに食べたい。
和菓子は長持ちさせる為の添加物なんて使ってなかった時代からありますもんね。
朝作ってその日のうちに食べてしまう、これらの定番のお菓子のことを「朝生菓子」と呼びます。
ちなみに「朝生菓子」の代表のひとつの桜餅は、関東では「焼き物」に入りますが、関西では道明寺粉を蒸してあんに包んだ、「餅物」に分類されるお菓子です。
東と西で、見た目も製法も違ってしまうなんて面白いですね。
これらのお菓子は、和菓子店にとっては、新鮮さが売りのお店の顔のようなものなので、朝作ってその日の早いうちに売り切れることがよしとされたのでしょう。
日常に食べるお菓子なので、「並生菓子」「番茶菓子」とも呼ばれました。
「上生菓子」 練り切りや水羊羹など
「上生菓子」は、職人の技を生かした伝統的な美しい季節の意匠を凝らしたもので、お茶の席などに使われるもので、「練り切り」は代表的な上生菓子で、見た目も美しく、白あんのほのかな甘さや口当たりは格別です。
他にも餡に粉を入れて蒸した「こなし」、求肥などの「練り物」や、錦玉羹、羊羹、水羊羹などの「流しもの」などがあります。
【練り物】
練り切り、こなし、求肥
【流し物】
錦玉羹、羊羹、水羊羹、ういろう、鹿の子、上南羹、黄身しぐれ、軽羹
「練り物」とは
餡に、餅粉などを加えて練って作るお菓子のこと
「流し物」とは
観点やゼラチンを型に入れて作るお菓子のこと。
半生菓子の種類は?
半生菓子は、10~30%の水分を含むお菓子です。
3日〜1週間前後のものが一般的で生菓子に比べると日持ちするとされ、あんこが使われているものも多いので、早めに食べることをお勧めします。
「あん物」とか「おか物」とか、分類の名前の付け方もバラバラなんだね〜。
分けるの難しそう。
【あん物】
石衣(松露)
【おか物】
最中・鹿の子・州浜(すはま)
【焼き物】
桃山・雪平
【流し物】
錦玉羹・羊羹
【練り物】
ぎゅうひ・ゆべし
「おか物」とは
「おか物」とは、特定の生地を材料にして、加熱せずにそのまま混ぜて作られた和菓子のことで、最中や鹿の子、州浜(すはま)などが「おか物」に当たります。
鹿の子は求肥とあんを使ったお菓子で、和菓子屋さんで見かけるよね。
州浜(すはま)は、炒った大豆を粉末にして、水飴と練り上げて切り口が州浜(すはま)のようになった練り菓子のことです
「流し物」とは
半生菓子の「流しもの」には、生菓子と同じく羊羹や錦玉羹が該当し、羊羹は一般的な半生菓子の代表で、主に小豆を練り込んで、さまざまな形状や風味があり、季節や地域によっても異なるバリエーションが存在します。
これらは一般的な半生菓子の例ですが、地域や店舗によってさまざまなバリエーションが存在する場合があり、新しい種類の半生菓子も開発されることもあります。
干菓子の種類は?
干菓子は、水分量が10%以下と少なく、1ヶ月ほど日持ちするといわれるもの。
落雁や村雨などが代表的です。
【打ち物】
落雁・片栗物
【推し物】
村雨・塩釜
【掛け物】
おこし・芋けんぴ・砂糖漬け
【焼き物】
ボーロ・あられ・せんべい
【あめ物】
金平糖・有平糖・千歳飴
「打ち物」とは
落雁や懐中しるこなどがうち物にあたります。
寒梅粉やみじん粉に砂糖を加えて、木の型に流し入れて固めたもので、木型で形成し、蒸気を当てて乾燥させます。
「押し物」とは
粉に砂糖や練りあん、羊羹を加えて推し固めたもので、シソを加えて仕上げた落雁風のお菓子・塩釜や、小豆と米粉と砂糖で作った村雨などがあります。
「掛け物」とは
「芋けんぴ」や「砂糖漬け」などが掛け物に当たり、原材料にシロップをかけたり、砂糖漬けにして作ったお菓子のこと。
「掛け物」は砂糖シロップをかけたものなのね。
「焼き物」とは
干菓子の「焼き物」には、ボーロ・あられ・せんべいなどが当たります。
あられやせんべい、おかき(かき餅)は、食べるおやつとして親しまれています。
焼いたものだから「焼き物」なのはわかりやすいね。
「あめ物」とは
ポルトガルから伝わった「金平糖」などの砂糖を煮詰めたお菓子のこと全般を指します。
和菓子の種類は多岐にわたる!
和菓子はこちらに上げた以外にもいろいろな分け方があり、作られた土地や製法によって名前や種類が変わってくるという、繊細で楽しいお菓子で、最近では、さらにヘルシーでおしゃれなものが多いと人気が上がっています。
春夏秋冬それぞれの季節になるとお店に並ぶ、その季節だけのきれいなお菓子もたくさんありるので、おいしくて美しい和菓子を楽しみながらいただきたいですね。
コメント